DEFINING DIGITAL: CONCEPTS

デジタル
トランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルテクノロジーを通して、ビジネスモデルあるいはビジネス業務の可能性や収益性について再考するプロセスことです。ビジネスの根本に新しいテクノロジーを採用していくことが前提になるため、デジタルトランスフォーメーションには組織全体の横断的な協力が必要となります。
多くの企業にとって、顧客体験を改善し、新たな競争力を獲得することが、デジタルトランスフォーメーションを推し進める上で強いモチベーションとなっています。

テクノロジーの進化が生み出す、顧客の時代

かつてないほど「特別な顧客体験」を提供することが、デジタルビジネスの差別化を実現する上で重要となっています。顧客を中心に熟考されたデジタル戦略こそが、デジタルトランスフォーメーションを成功へ導くポイントと言えるでしょう。

IT関連調査会社の米フォレスター社によると、この5年におけるテクノロジーの進化は、“顧客の時代(Age of the Customer)”を生み出し、消費者はいつどのようにサービスやビジネスに接触するか、自ら選択することが出来るようになりました。近年、多くの企業が顧客へ提供する体験について全容把握ができなくなってきているにも関わらず、顧客たちは様々なタッチポイントを跨ぎつつ、一貫したビジネス・サービス体験を期待するようになりました。さらにその上で、使いやすさやパーソナライズ化された体験も求められているのです。

こういったニーズの変化を背景に、新しいテクノロジーを起用し、組織全体の変革を実現し、特別な顧客体験の創造ができるかどうか、様々な企業に決断が迫られています。かつてないほど「特別な顧客体験」を提供することが、デジタルビジネスの差別化を実現する上で重要となっています。顧客を中心に熟考されたデジタル戦略こそが、デジタルトランスフォーメーションを成功へ導くポイントと言えるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションの主要素

デジタルトランスフォーメーションは新しいテクノロジーの導入によって実現できますが、その革新を成功させる為には、技術をただ導入するのではなく、ビジネスにおけるあらゆる部署を巻き込み、舵切りをすることが求められます。

MIT Sloan Management Review によると 、トランスフォーメーションのプロセスにおいて、注力すべき柱は、1. 顧客体験、2. 業務プロセス、そして3. ビジネスモデル、の3つであると言われています。
これら3分野でのデジタルトランスフォーメーションを成功させるために、企業はデジタルテクノロジーの可能性に最大限投資し、発展させる必要があります。

顧客体験

マーケティングソフトウェアやデータ収集技術の進化は、デジタル体験における顧客行動の洞察(インサイト)と高度なパーソナライゼーションを可能にしました。企業は次のような方法でトランスフォーメーションを進めています;

  • ユーザにとって、使いやすく、シームレスな、チャネルを跨いでパーソナライズ化された体験の管理
  • スマートウォッチなどの新しいデジタル製品の開発およびサービスの提供
  • 全てのタッチポイントで顧客データを捕捉し、それらを用いてより効果的なパーソナライゼーションを実現

業務プロセス

デジタルトランスフォーメーションにおいて、可視化しやすいフロントエンドの顧客体験のみに重点を置きがちです。しかし、テクノロジーを使って、業務システムを改善することの方が、良質な体験を継続的に提供し続ける上で大きなインパクト(影響力)を持つこともあります。例えば、荷物がより早く届く仕組みは、顧客が会社に好印象を持つことに繋がります。

企業が業務変革を成功させるために必要なポイントは以下のとおりです:

  • ITとマーケティング両方のメンバーを製品チームに含めるなど、デジタルプロジェクトにおけるより強力なコラボレーションのために、部署別でサイロ化されたオペレーションを撤廃する。そうすることで両部門が、製品のデザイン、戦略、開発の全プロセスにおいて情報を十分にえられるようにする。
  • 自動化された発注システムにより書類を削減し、誤発注を却下するなど、より優れたソフトウェア機能や新しいツールの導入によるプロセスの自動化を図る。
  • より詳細なデータに基づき戦略的決断を下す。既存のプロセスをそのままなぞったり、仮説に頼った改善を行うのではなく、実際のデータにしっかりと向き合い、現状を打破する変革を推し進めること。

ビジネスモデル

往々にしてスタートアップ企業は巨大な老舗ブランドを凌ぐバリューを発揮します。それは彼らが、退嬰的なレガシーシステムの代わりに、新しいテクノロジーを用いて革新的なビジネスモデルを確立しているからです。
老舗企業は、新しいテクノロジーによってのみ提供可能な、新しいサービスモデル構築の重要性に目をむけるべきです。

新しいビジネスモデルの例は様々ですが、一般的に以下のようなものを含みます:

  • 玩具メーカーが製品デザインをオンラインでクラウドソーシングするなど、既存ビジネスのスコープをデジタルサービスを通じて拡大する。
  • 新しいテクノロジーによって顧客行動自体に変化を促す。
    例えば、店舗へ製品を見に来た顧客が、その後オンラインで購入者の評価を確認し、より安価で購入できる他のお店で購入してしまうという例をよく見ます。ある企業はこの状況を受け、スマホで製品情報を読み取ると、その場ですぐにレビューが読めるアプリを制作し、ユーザを他の購買サイトへ離脱させず、彼らのプラットフォームに留まらせることに成功しました。
  • 小切手の現金化、請求書の支払い、ローンやその他のサービスの申請のためのモバイルアプリを構築した銀行のように、既存の事業を”デジタルファースト”に再構築する。

参考白書(英語): Digital Experience Platforms: Designed for Digital Transformation

最初のステップ

よくある誤解ですが、デジタルトランスフォーメーションはテクノロジーのみの話であるという認識は間違いです。ITへの投資を増やすという点だけで、デジタルトランスフォーメーションを定義すべきではありません。企業が顧客との間に優れたエンゲージメントを生み出し、利益を獲得するには、トランスフォーメーション(革新)の背景に、顧客体験を中心としたデジタル戦略がしっかりと検討されている必要があるのです。

デジタルビジネスの領域で競争力を維持するためには、企業は現状を見極め、どのような要素を中心にデジタルトランスフォーメーションを進めるのが最良か決断する必要があります。上記で述べた3つの注力すべき柱のうちいずれかを参考として始めることもできます。何より重要なのは、行動を起こすことです。

デジタルトランスフォーメーションについて、包括的なロードマップはまだ存在しませんが、過去5年間で次のようなベストプラクティスが明らかになってきました:

  • ビジョン+投資 – あなたのビジョンの範囲と投資するレベルによって、ビジネスがどこまで成長できるかが決まる
  • デジタル戦略 – テクノロジーを一つ一つをバラバラに導入するのではなく、ビジョン全体を考慮した戦略を立てる
  • リーダーシップ – デジタルトランスフォーメーションには組織全体の編成と調整が求められるため、組織の上層機関がリーダーシップをとってプロジェクトを効率的に進行させる
  • ビジネスとITの連携 – ビジネスとIT間の壁を取り除き、協力して業務プロセスの改善に取り組む。デジタルビジネスでのソフトウェアのニーズが拡大するにつれ、ビジネスとITが連携することは、テクノロジー導入に伴う軋轢を避けるために重要である
  • 「デジタルビジネス」のパートナー – 弱点としている分野に、特有の強みを持っているパートナーを探すこと。知識の共有と頻繁なコミュニケーションを通して、パートナーシップとしての関係を構築する。これにより複数のベンダー毎でサイロ化された情報を一元化し、ベンダーのリソースやスケジュールに依存するリスクを回避する。