DEFINING DIGITAL: CONCEPTS

ユーザエクスペリエンスとは?

ユーザーエクスペリエンス(UX) とは、主にWebサイトやアプリ、その他デジタルテクノロジーを介した企業とのやりとり中に発生する、ユーザーの体験や感情のことを指します。

ユーザエクスペリエンスは、デザインではなく、体験そのもの

ユーザーエクスペリエンスとは、ウェブサイトを回遊している時や、モバイルアプリを使用した時、企業のデジタル製品やサービスとやりとりする時に、ユーザーがどのように感じているか表すものです。優れたユーザエクスペリエンスの設計に貢献する要素は多くあり、例えば、ユーザーインターフェイス、ユーザビリティ、ユーザー検索などがその一例です。ただし、『ユーザーエクスペリエンスデザイン』と『ユーザーエクスペリエンス(UX)』は異なります。同じものと思われることが多いですが、UXはユーザ体験そのものを指し、UXの専門家たちがその体験の設計のために集める、各要素を指すわけではありません。事実、UXデザインの要素を最適化し、洗練させることは、エンドユーザーがどう感じるかに大きく影響を及ぼしますが、それでもデザイナーだけでは管理できないものが常に存在します。

「ユーザーエクスペリエンス」をフィジカルな体験に対して使用できない理由はありませんが、通常、この用語はデジタルテクノロジーによるインタラクションにて使われることが多いです。これは、UXの手法でワイヤーフレームやユーザビリティ、その他のデジタル特有のプロセスに重点が置かれていること考えると明白です。

ユーザエクスペリエンスの設計

優れたユーザエクスペリエンスの設計には、エンドユーザに満足してもらえるかどうかを検討することが重要です。これはつまり、企業がUXを設計する前に、ユーザーのニーズと優先順位を明確に理解しておく必要があるということです。詳細なユーザー調査を行うことは、UX設計者がUXの各側面における機能やその価値に関して決断をくだす上でとても役立ちます。

Peter Morville は、UX設計プロセスを、一線上的ではなく、多次元的に検討されるべきであることを示すために、ハニカム構造で表現しました。

UX Honeycomb
参照: Semantic Studios "User Experience Design"

これらの7つの要素は、優れたエクスペリエンスを創造を導くだけでなく、その効果のテスト、調査、測定を行う上でも活用できます。(User Testingは上記7要素をユーザへの質問に置き換えた例を掲載しています)
各要素の意味をよりよく理解するために、例えば、銀行ウェブサイトでの体験で考えてみましょう。

  • Useful(利便性): ウェブサイトでは口座残高や請求書支払いなどのサービスを提供しています。
  • Usable(利用できる): 残高ページを見ると、情報は正確であり検索も容易なため、直近の預金引き出し状況を確認することができます。 ユーザが直感的に使うことができるのです。
  • Desireble(望ましい): 優れたインタフェースは、実際に店舗を訪問するよりも、財務管理を容易にしてくれます。
  • Accessible(アクセスしやすさ): 視覚障害やその他の障害を持つユーザのアクセシビリティのニーズを満たすウェブサイト。
  • Credible(信頼できる): アクセスがセキュリティで保護されたり、セッション終了後には自動的にログアウトされるなどの、追加のセキュリティ機能があります。
  • Findable(見つけやすさ): 新しいクレジットカードを作成したい時、利用可能なクーポンを見つけてオンラインで申請することが簡単に可能です。
  • Valuable(価値がある): ウェブサイトのセルフサービス機能により、サポートセンターのコストが削減されつつ、顧客満足度は向上し、顧客にとっては価値のある体験となり、ビジネスにとっても適した投資となります。

いかなるユーザーエクスペリエンスの設計であっても、上記の側面全てを見過ごすべきではありませんが、同時に企業は、”ユーザーにとっての最優先事項”について深く理解することも重要です。時には、チームはのリソースの大半をとてもリッチな機能の実装(利用できる)に注ぎ込んでも、ビジュアルデザインが十分(望ましい)でないゆえに、ユーザはその機能を一切使わないということも起こりうるのです。

企業は、ユーザーエクスペリエンスを検討する際に、 「価値がある」ことを、「独特である」ことや「革新的である」ことと混同しないように注意する必要があります。 サイトの見た目のデザインや機能は、ユーザー体験を全ての包括するものではないため、時にはシンプルなものが最良なソリューションだったりします。 サイトは、美しくモダンなデザインにすることもできますが、不必要に複雑にしてしまった場合(使い勝手が悪い場合など)、結果的に全体的なユーザーエクスペリエンスは悪化してしまうのです。

ユーザエクスペリエンスと顧客体験をひとつに

顧客体験とユーザーエクスペリエンスは、同じ課題に対する異なったアプローチとして見ることができます:Q「どうしたら顧客に満足してもらえるか?」
ユーザーエクスペリエンスの担当者が、エクスペリエンス(体験)を設計するプロセスに多くの時間を費やすのに対し、顧客体験の専門家は、顧客が企業とのやりとり全てから受ける、総合的な印象に焦点を当てています。そして、これらの2つの役割は企業内でサイロ化(分断化)してしまう傾向があります。 ユーザーエクスペリエンスと顧客体験を融合させることで、企業は顧客とビジネスのニーズ、両方のフィードバックをバランス良く繰り返し受けられる仕組みを構築できます。

ユーザーエクスペリエンスと顧客体験を融合させることで、企業は顧客とビジネスのニーズ、両方のフィードバックをバランス良く繰り返し受けられる仕組みを構築できます。

たとえば、ウェブサイトのコンテンツ閲覧に対して、メールアドレス登録というハードルを用意するかどうか、という課題はどのように解決するでしょうか?ユーザーに対して、ただ記事を閲覧するのにメールアドレス要求するのは、望ましくないエクスペリエンスを生むため、UXデザイナーはそのステップを削除したがるかもしれません。逆に、メールアドレスが取得できれば、マーケティング担当がユーザに対して将来の購入を促す追加情報を提供できるため、CXの担当者たちは、アドレス登録の仕様に賛成する可能性があります。2つの部署がお互いに意見に耳を傾けることにより、企業は常に目標に対するベストバランスを評価することができます。

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本当に優れたユーザーエクスペリエンスを提供することで、企業は投資に対する効果を確実に得ることができます。ウェブサイト構築に投下した全ての予算が、測定可能な価値へと変化するのです。

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ユーザエクスペリエンスの主な利点

企業が事業プロセスの中でより顧客中心的になることが強く求められている現代、ユーザーエクスペリエンスへの投資も始まっているでしょう。優れたユーザーエクスペリエンスを設計する利点には、具体的に次のようなものがあります;

  • ユーザーへの理解が深まり、企業とどのようにやりとりをしているかよく知ることができる。
  • デジタル製品やサービスの体験を絶えず改良することで、長期的な顧客ロイヤリティを推進する。
  • ブランドが提供する、ユーザーエクスペリエンスの種類を設計するための、堅実な方法論が確立できる。これは連携するデバイス種の数が増えるにつれ、より重要となり、最終的に企業全体で一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できるようになる。

デジタルトランスフォーメーションを推し進めるビジネスであれば、ユーザーエクスペリエンスに投資することで、新規および既存の顧客からデジタル製品について良い評価を得ることへ繋げることができるでしょう。